ビーガンってなに?地球、動物、身体にも優しい生き方
mymizu Blog Series「エコへの第一歩 with Kanae」
当シリーズは、mymizuメンバーの長谷川佳苗と一緒に環境問題、そして私たちがすぐにでもできるエコ活動について学び、新しいライフスタイルへの第一歩になることを目標としています!
突然ですが、このご飯全てがお肉や魚を使わず作られてると言ったら信じられますか?
お肉みたいに見える唐揚げもハンバーグ、魚が入ってるように見える手巻き寿司、生クリームたっぶりに見えるパスタ、豚骨ベースに見えるラーメンも実は全部植物由来の食品からできています。
最近日本でも少しずつ耳にするようになったビーガンやベジタリアンといった言葉。
ビーガンとベジタリアンの違いはなんなのでしょうか?
肉や魚を食べないベジタリアンは馴染みのある人も多いと思います。
ビーガンは肉や魚に加え、卵・乳製品、蜂蜜などを食べず、またシルク、ウール、革などの動物性の素材も身につけない人たちのことを言います。
可能な限り動物性の食事をしない、身につけない、傷つけない生き方です。
ここで、ビーガンになってから2年が経つ私が個人的にビーガンになってよかったなと思うことをご紹介します!
まずは胃もたれがなくなり、体が明らかに軽くなったこと。また、肌荒れがほとんどなくなりました。
あとはお金!別に節約のために始めたわけではないのですが、ビーガンになる前は日本で外食を含めて月間5万から5万5千円だった食費が、ビーガンになってから月間3万5千円ほどに抑えられました。年間に換算すると、年18万円の節約になっていたんです。
もちろん高いビーガン食品を買えば逆に高くつきますが、シンプルな食生活を続ければ肉や魚を買わないビーガン生活はとっても経済的です。
ビーガンってなんか難しそうだし「野菜しか食べないなんて考えられない!」と思うかもしれません。でも、最初の写真にもあったようにビーガンでも色々な食事を楽しめます。
こんなに美味しそうなバナナブレッドだって植物由来の食材だけで作れちゃいます!
卵 ➡︎チアシード+水 or 豆腐
牛乳 ➡︎豆乳 or アーモンドミルク等
バター ➡︎オリーブオイル or ココナッツオイル or 豆乳+レモン
実際にビーガンではない友人に食べてもらっても気付かないほど味に変わりもありません。
普段食べるチーズバーガーやミートソーススパゲッティ、トンカツ、クリームシチューなども全て他の食材で代用ができます。
【お肉の代用食品】
大豆ミート
高野豆腐
豆類
カリフラワー
キノコ類(特にエリンギ)
テンペ
今まで知らなかったような食材や新しい調理法を知ることができて、私はビーガンになってから料理がさらに好きになりました!
ビーガンになる主な理由3つ
〜環境保全のため〜
私がビーガンになる直接のきっかけになったのは
「ベジタリアンの食事にすると63%、ビーガンの食事にすると70%、温室効果ガスを削減することができる」と知ったときです。
これは2018年にイギリス・オックスフォード大学が中心となって行われた研究です。
肉や魚を食べる事がなぜ地球温暖化につながるのか?
牛、羊やヤギが、げっぷやおならとしてメタンガスを放出しているからです!
げっぷやおならが地球温暖化を加速させるなんてジョークのようですが本当の話です。
このメタンガスは二酸化炭素の25倍以上の温室効果を持っています。
また、世界の森林伐採の原因の80%が畜産によるものです。
畜産とは牛や豚、鳥、ヤギなどを育てる産業です。
実際に毎秒テニスコート15面分が消えるスピードで今世界中の森が消失しています。
これは1分間にすると東京ドーム約2個分が消失している勢いです。
「1秒間」って嘘みたいですよね。
私も最初は嘘かと思いました。
でも残念ながら本当のようです。
家畜を育てるための土地を開拓したり、家畜に与える餌(主に穀物)を育てるための農場を作るためにものすごいスピードで世界の森がなくなっているのです。
樹木は光合成をする際に大気中の二酸化炭素を吸収するとともに、酸素を発生させながら炭素を蓄えます。この蓄えられている炭素は木が切り倒されるときに大気中に放出され、地球温暖化を加速させます。
また、森林や熱帯雨林がなくなると野生動物の減少や生態系の乱れにもつながります。
では、世界中の農耕地のうち、何%が家畜のために使われているでしょうか?
答えは、、、80%です!
牛って1日に50〜60キロの餌を食べるんです。水も60〜80リットル近く飲みます。
彼らに与える餌を作るだけでも膨大な土地が必要になります。それにも関わらず、その肉は世界の消費カロリーの20%しか提供しません。
WHOによると、今も世界では8億人以上の人々が飢えに苦しんでいます。
でも、世界中で生産されている大豆の約75%が牛、豚、鳥、養殖の魚に与えられています。
計算上では、今家畜に与えている大豆などの餌をそのまま人間に与えれば世界の食糧危機問題は解決すると言われています。
今挙げた以外にも、畜産業は土壌の汚染や酸欠海域(魚が住めない海のデッドゾーン)を増やしている原因でもあります。
さて、ここまではお肉を食べることが環境にもたらす影響についてお話ししましたが、環境問題以外にも様々な理由でビーガンになる方はいます。
それは動物を守るためであったり、健康や美容のためだったりします。
〜動物保護のため〜
野生の鶏が一生涯で産む卵の数は何個だと思いますか?
正解は5〜6個です!
野生の鶏は生涯数える程しか卵を産まないところを、養鶏場では年間300個以上産み続けるように鶏の品種改良が行われています。
現在流通しているあらゆる肉のほとんどが工場式の農家で生産されていますが、そういった農場ではいかに効率良く動物の肉を作れるかを追求しています。そこに動物に対する愛や福祉はありません。
例えば、私たちが飲む牛乳。
作ってくれているのはメス牛ですが、牛も人間と同じで妊娠している時しか乳は出ません。
よって、メス牛はほぼ年中強制的に妊娠状態におかれ乳を搾り取られています。
工場式の農家に住む動物たちは生まれてからずっと身動きが取れないような鎖に繋がれているか、狭いケージの中で飼育されていることが大半です。
本来ならば25年以上生きる牛も度重なる身体的、精神的なストレスから平均5〜6年で乳を出せなくなり、生肉用に殺されてしまいます。
また、産まれたばかりの子牛は産まれてすぐに母牛から引き離されます。
牛乳を私たち人間に少しでも多く届けるためです。
子牛も私たち人間の赤ちゃんと一緒。 母牛の乳を吸いたいという強い欲求があります。
母乳を吸いたいという欲求をかなえられず母牛から引き離された子牛は、仲間のオス牛の睾丸や柵の出っ張り部分など、乳首に似たものに飛びつくという異常行動をおこします。
そして我が子を取り上げられた母牛は、少なくとも6週間にわたって嘆き悲しみます。
鶏の場合はどうでしょう?
卵から孵ったばかりのひよこたち。
このなかでもオスは卵を産めないため、産まれてすぐにシュレッダーの機械にかけられる等して殺されます。
今、世界中で毎日2億匹の動物が殺されています。
魚を含めるとこの数は30億匹にものぼります。
世界的ロックバンド、ビートルズはメンバー全員がビーガンでした。
彼たちはこんな言葉を残しています。
「もしも屠殺場の壁がガラス張りだったなら、きっと人は誰もがベジタリアンになるだろう」
スーパーでお肉を買うときに、その動物たちがどんな生涯を送ってきたのかまで考えることはほとんどありません。
でも動物達は想像もしたくないような残酷な扱われ方、殺され方をされているのです。
今回紹介したのは農場で巻き起こっている実態のほんの一部にしか過ぎません。
〜健康と美容のため〜
ビーガンになることが地球環境そして動物のためになることはわかった。
でも、植物由来のご飯だけで本当に大丈夫なの?
栄養が偏ったりしないの?
タンパク質はどこから摂るの?
そんな疑問が浮かぶかと思います。
たんぱく質は動物性食品からのみではなく、大豆・豆腐・ナッツ・キヌアなどの植物から摂ることができます。
さらにこんな研究結果もあります。
2015年にWHO(世界保健機関) は「加工肉がタバコの喫煙と同等の発がん性がある」また「赤身の肉は発ガン性がある可能性がある」と発表しました。
加工肉とはベーコンやハム、コンビーフの事を指します。
ハーバード大学によると赤身肉を1日2回以上食べた成人男性は心臓病のリスクが28%上昇するとの研究結果もあります。
また、農場の牛や豚、鳥は劣悪な衛生環境で育てられているため、病気にならないように大量の抗生物質が投与されています。それが私たちの食卓に上るときにも残っており、人間の健康にも支障を及ぼす可能性があります。
また、糖尿病やガン、ぜんそくなどの現代病を持った患者が病院で治療を受けても薬を飲んでも治らなかったのに、食事療法(ビーガンの食事への切り替え)によって、病気を克服したというケースも報告されています。
栄養学に関する研究は食習慣以外にも個人の生活習慣や運動習慣、精神状態などその他の要因が複雑に絡まり、「この食事法が全員にとって一番体にいい!」と言うのが難しいところです。
ただ、菜食になることが病気を未然に防いだり、完治させたという事例がいくつかあるだけでも自分の身体と相談しながら試してみる価値はあるのではないかと個人的に思います。
ビーガンっていうと全く新しいもののように聞こえますが、私たち日本人にとっては本来の食生活に戻るだけのことだったりします。
伝統的な和食は米飯を中心にみそ汁 (具は野菜や海藻等) などの汁物、野菜や芋などの煮物、炒め物、そして豆腐や納豆などの豆料理で構成された栄養バランスが取れた健康食・生活習慣病予防食です。
食料自給率100%の米飯を中心とすれば、食品を輸入輸送する際に排出されるCO2も防ぐことができます。
ここまでビーガンになる利点をたくさん挙げてきましたが、私は何もみなさんに今すぐビーガンになるべきだと言っているわけではありません。
ただ、この記事を通して私が感じた地球、動物、身体にも優しいという良い影響があることを知って、今一度自分の食生活と身に付けるものを見つめ直すきっかけになればいいなと思っています。
実際、まだまだビーガンという言葉さえ浸透しきっていない日本で友達とのソーシャルライフも楽しみながら、100%菜食生活を送るのは難しいです。
外食するときは行けるお店も限られてくるし、スーパーで買い物をする時もみんなと同じものが買えなかったり、どうしても周りの方の理解が必要になってきます。
でも、そのぶん一回の食事がすごく大切になったし、周りの方の優しさに心暖まることがたくさんあるし、命や地球環境のことを考える機会が増えて私にはすごくビーガンが合ってるように感じます。
もし、この記事を読んで少しやってみようかなと思ったら、最初から完璧にやるのではなくて、まずは週1回か週末の2〜3日だけで始めてみたら良いのではないかなと思います。
そして、その日数を少しずつ増やしていくことが一番長く続けられる持続可能な方法だと思います。
ちょうど梨、栗、さつまいも、椎茸、松茸などが美味しくなってくる食欲の秋。
季節の変わり目に合わせて、食生活も環境と自分の身体に優しいものへシフトしてみてはいかがですか?
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ひとりひとりが協力して行動を起こせば大きな変化が生まれます。
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【メンバー紹介:長谷川佳苗】
四六時中エコなことを考えている「エコフリーク」なわたしはみなさんが自分のためにも環境のためにも持続可能で健康的なライフスタイルを送るヒントを見つけるお手伝いをできればと思い、当ブログを書かせていただいています。地元名古屋から始まった地球に優しい生活への旅。これまでゴミ拾い、ビーガンピクニック、ヨガ、気候変動に関するプレゼンテーションなどのイベントを企画して、350名以上の方と関わってきました。また、政府に気候変動への取り組みを訴えている国際的な団体Fridays For Future Nagoyaの主要メンバーも務め、元アメリカ副大統領のAl Gore氏主催のClimate Reality Leadership training を受講し気候危機に関する知識も深めてきました。環境問題について話すことが「意識が高いこと」ではなく当たり前になる社会を目指して、オーストラリアから情報を発信していきます!